Self-Authorship Assessment
(SAA)
Self-Authorship Assessment
(SAA)
SAA(Self-Authorship Assessment)は、個人の「自己著述能力」を統合的に把握し、育んでいくためのサービスです。
自己著述能力とは、自分自身の内側に息づく「声」(”voice”)を明確にして、それを世界に表現していく能力/スキルのこと。
私たちのあらゆる活動、あらゆる仕事は、自分の中にある内的な声(”voice”)を探り、言語化し、「言葉」を用いて他者に働きかけることで成り立っています。いわば、私たちは皆、表現者(コミュニケーター)なのです。
このアセスメントは、表現者(コミュニケーター)として必要な能力/スキル(自己著述能力)を育むことを目的に「発達理論(成人発達理論)」と「言語表現」の領域の専門家により開発されました。
SSA(Self-Authorship Assessment)で得られること
- 深層に息づく内的な声(”voice”)を探り、言語化するための手がかり
- オーセンティックな自身の願いや想い、問題意識を、他者と共有し、働きかけていくヒント
- 表現者(コミュニケーター)としての影響力を高めるために必要な実践
なぜ、今、自己著述能力(Self-Authorship)が必要なのか
「自己著述能力」は、社会の変容を促すリーダー、イノベーターたちの必須能力
「重大な問題だからこそ、さまざまなステークホルダーを巻き込んで、物事を前進させていきたい!」と強い問題意識を感じているのに、いざ企画書、提案書に落とし込もうとすると、思ったように表現できない……。
自分にしか提供できない価値、サービスは確かにあるのだけれど、それをwebサイトの文章等にまとめようとすると言葉に詰まったり、結果的に他社(他者)とほとんど変わらない陳腐な内容になってしまう……。
自分自身の仕事の集大成として、論文・書籍をまとめようとしているけれど、思うように進まない……。
これらは「感性と知性を駆使して数々の問題・課題を解決していきたい」「よりよい社会を次世代に引き継ぐために、価値ある仕事に取り組みたい」と望むリーダー、イノベーターたちが感じる悩みではないでしょうか。
一人ひとりが、自分自身の内に息づく「声」(”voice”)を明確にして、それを世界に表現していくーー歴史を形作る業績の数々は、こうした営みの積み重ねによって生み出されてきました。そして、これからの時代を切り開いていきたいと望むリーダー、イノベーターたちにとっても、それは必須の能力です。
しかし、決心すれば自然と、自分の深い想いを分かち合えるようになるわけではありません。「声」(”voice”)を明確にし、的確に表現していくためには、そうした能力/スキルを育もうという明確な意志をもつとともに、適切な実践に継続的に取り組む必要があるのです。
そして、そのための手がかりを与えてくれるのが、本サービスSAA(Self-Authorship Assessment:自己著述能力アセスメント)が測定の対象とする「自己著述能力(Self-Authorship)」なのです。
「自己著述能力」は人格形成の重要なマイルストーン
人間のパフォーマンスは、さまざまな要素の影響下で発揮されます。
特に重要なものとして注目を集めているのが、いわゆる「発達理論(成人発達理論)」「発達段階」。
長年にわたりハーバード教育大学院(Harvard Graduate School of Education)で人の成長のプロセス、メカニズムの研究に従事したロバート・キーガン(Robert Kegan)は、自分自身の内に息づく「声」(”voice”)を明確にして、それを世界に表現していく能力を獲得する段階を「自己著述型段階」(日本では「自己主導型段階」とも翻訳されています)と呼んでいます*。
成人発達理論の領域では、こうした能力を習得して、安定的に発揮できるようになることは、人格形成プロセスの重要なマイルストーンと位置づけられています。
しかし、キーガンによれば、幼少期から自分の意見を表現することを求められる米国においてさえ、人口の約70%は完全にこの発達段階に到達することなく一生を終えていくことになるといいます。
こうしたスキル/能力の重要性は高まり続けている一方で、それを実際に成し遂げることは難しい課題として立ちはだかっている……それが、私たちを取り巻く現状です。
そのため、適切に現状を把握し、効果的な実践を見極めて、取り組まなければ、自己著述能力(Self-Authorship)を育むことはできないのです。
「自己著述能力(Self-Authorship)」に限らず、スキル/能力を効果的に育むうえで欠かせないのが、現時点における自己の状態を正確に把握し、課題を理解すること。
SAA(Self-Authorship Assessment)は、そうした自己理解をサポートするために開発されました。
*成人発達理論について
成人発達理論に関しては、下記の解説を参照ください
https://integral.or.jp/database/
SAA(Self-Authorship Assessment)の対象者
特に次のような悩み・課題・願いを抱いている方に、本サービスの利用を推奨します。
自分自身の「声」(voice)を見出したい
- 社会に向けて広く表現活動をしたいという思いはあるものの、まだ漠然としていて踏み出せずにいる
- 自分でなければ表現できないユニークな価値/感性/視点/洞察/願いを把握し、発信していきたい 「自分が世界に届けたいメッセージは何か」を見極めたい
- これまでに得てきた情報/知識/経験を素材としてつなぎあわせ、自分にしかできないオリジナルの表現をしてみたい
- 自分に表現ができるものがあるのかどうか、自分には表現者としての適性があるのかどうかを知りたい
表現力を高めたい
- 「表現力を高めたい」と感じてはいるが、何が課題なのかを把握できず、行動にうつせずにいる
- 書籍、ブログ、SNS、動画コンテンツなど、自分なりに表現/発信を行っているものの、いまいち手応えを感じられない
- 想い/願いを表現しようとして言葉にしてみると、途端に「想像していたものとは違うもの」「陳腐なもの」「似たり寄ったりのもの」になってしまう
- 「本を出したほうがいいよ」と言われることはあるけれど、何から手をつけたらいいのかわからない
- 「表現者」としての自身の特徴、強み、優位性について、プロの目線から客観的なフィードバックを得たい
- 「表現者」としてステップアップするために、今後、どのような能力を育めばいいのか、具体的に何をしていけばいいのかを明確にしたい
- 執筆活動、講演活動をしてはいるが、どこかで「マンネリ」を感じている。ブレイクスルーのヒントが欲しい
表現をとおして影響力を高めたい
- 起業家、組織のリーダーとして、自身の「purpose(パーパス)」「vision(ビジョン)」「value(バリュー)」を世の中にひろく問いかけ、さらに訴求していきたい
- コーチやコンサルタントとして、自身のAuthenticity(オーセンティシティ)を大切にしながらも、良質な顧客・パートナーと出会いたい
- 執筆や講演等の活動をとおして、より効果的に影響力を発揮していきたい
- 社会活動家として、さまざまな課題を解消するために、多様な関係者に想いを伝え、巻き込んでいきたい
- チームマネジャー、プロジェクトリーダーとして、メンバーに組織の戦略を的確に伝え、インスパイアしたい
- 後世に遺すべき「代表作」「自分にしかつくれない”作品”」に取りかかりたい(執筆、ビジネス等、表現のジャンルは問わず)
SAA(Self-Authorship Assessment)の概要
自己著述能力(Self-Authorship)を分解する
人間の能力は、多様な要素が相互に結びついて発揮されるものです。
能力がどれくらい効果的に発揮されるかを決める大切な要素として「①深層構造:認知能力の発達段階」と「②表層構造:特定領域の中で求められる機能的な能力(例:企画の立案、執筆能力等)の熟練度」、「③概念的内容物:知識、情報、アイデア等」があげられます。
「自己著述能力(Self-Authorship)」について、この階層構造をもとに検討すると、次の図のように分解することができます。
SAAでは、このような階層構造に分けて検討することで、利用者の「自己著述能力(Self-Authorship)」を的確に把握・分析し、育成していくためのより本質的な実践の提案を目指します。
なお、測定の範囲となるのは「①深層構造」と「②表層構造」が主となり、「③概念的内容物」は、測定の対象外となります。
この測定の目的は「自己著述能力」について統合的な視点から現状を把握し、育んでいくこと。
表現の素材となる「③概念的内容物」は、とても大切なものです。しかし、素材が豊かに揃っているからといって、豊かなでインパクトのある表現ができるとは限りません。
また、「③概念的内容物」を豊かにし、批判的に検証するための方法論は、既に世の中に確立されていて、個人で進めやすいものです。
そのため、本測定においては、一人ひとりの活動の基盤として機能する認知能力の発達段階(①深層構造)と、自己の「声」(”voice”)を明確にし表現する際に必要とされる能力/スキル(②表層構造)に着目して分析を行います。
*なお、本測定は、厳密な意味で個人の発達段階を測定するものではありません。厳密な発達段階測定に関しては、Lectica, Inc.の測定(例:LDMA)を受けていただく必要があります。
測定をご希望の方は、こちらへ。
日本初の試みとなる2領域からのアプローチ:「成人発達理論」×「言語表現」
本アセスメントは、成人発達理論領域と言語表現、それぞれの領域のプロフェッショナルによって開発されました。
本測定では、自己著述能力(Self-Authorship)の「①深層構造」と「②表層構造」の2つの階層について、前者を「成人発達理論」、後者を「言語表現」の観点から、把握していきます。
自己の「声」(”voice”)を見出し、的確に表現して、社会にインパクトを与えていくことは決して簡単なことではありません。多角的/複眼的な自己理解とそれに基づいた的確な実践が必要となるのです。
そうした目的を実現するため、それぞれのプロフェッショナル視点から、次表のような項目について、分析/フィードバックを提供していきます。
課題特定の次なるステップ:継続的な「実践」に向けて
人間の成長・発達とは、具体的な実践を続けるなかで、ゆるやかに展開していきます。
つまり、ある領域の実践を続けるなかで開発された新しい能力/スキルが、既存の能力/スキルと広く、深く、結びつくことで、人は成長/発達していくのです。
測定をとおして、自身の特徴・課題を深く理解することは重要ですが、それだけでは十分ではありません。特徴・課題を認識するとともに、日常的な「実践」を積み重ねることが「自己著述能力(Self-Authorship)」を育むうえでは欠かせないのです。
本測定では、多層的・多角的な観点に基づく分析を参考にしながら、次のような実践的なアドバイスを提案します。
- 効果的に自己著述能力を発揮するための実践法
- 自己著述能力をさらに育んでいくための実践法
- 実践に継続的に取り組むための手がかり、ヒント
「フィードバックセッション」や「実践課題設定」など、アセスメント利用者の行動変容および継続的な実践まで見越したサービスを提供していきます。
開発の経緯(開発者の想い)
成人発達理論の視点からーー鈴木規夫
人間の実際のパフォーマンスは、さまざまな要素の影響下で発揮されます。それらの要素の中でもとりわけ重要なものとして注目を集めているのが、いわゆる「発達段階」(認知構造=深層構造の発達段階)といわれるものです。
しかし、実際には、それが実際の社会的な関係性の中で効果的に発揮されるためには、それとは別の能力(スキル)が必要となります。
端的にいえば、どれほど緻密に現実を理解することがきたとしても、自らが理解したことを他者に対して効果的・効率的に伝えて、関係者を行動に向けて動かすことができなければ、その高度の認知能力は真にその価値を発揮できないままになってしまうのです。
その意味では、人間のパフォーマンスの発揮度合いを測定するためには、それがどのような領域に関するものであるのかを見極めて、その領域特有の重要能力(スキル)についても把握をする必要があります。
「自己著述能力」の発揮においては、具体的には、言葉を用いて、自らの「声」(voice)を把握・整理して、それを訴求力をもつメッセージとして表現するという能力(スキル)が必要になります。
独自の問題意識をもち、それにもとづいて自らの意見をとりまとめ、それを他者が理解をすることができるように柔軟に語り口を変えながら明瞭に表現できる必要があるのです。
SAA(Self-Authorship Assessment)は、こうした重層的な人間理解を実現するために、発達心理学者のロバート・キーガン(Robert Kegan)とリサ・レイヒー(Lisa Lahey)が開発したSubject-Object Interviewの方法論を参照するとともに、長年にわたり老舗出版社の編集者として数多くの書籍の制作に携わってきた柏原里美さんの全面的な協力を得て開発されました。
そのために、SAAは「自己著述(self-authoring)」という特定の領域に特化した非常に効果的な測定となっています。
一人の表現者として、言葉を駆使して、世界に対していかに効果的にメッセージを伝え、事を興していけるのかということに焦点を絞り、その観点から受験者の能力を深層能力と機能的能力という二つの領域の特性について把握をするのです。
そして、そのうえで、受験者がみずからの自己著述能力を高めていくために取り組むべき実践を提案するのです。
その意味では、非常に実用性に優れた測定といえます。
言語表現の視点からーー柏原里美
洗練された語彙が並んだ、体裁の整った資料なのにほとんど記憶に残らないこともあれば、まったく”こなれた感じ”のしない稚拙にも思える言葉が、人を、社会を動かすことだってある。
この差をつくるのは、一体何でしょうか。
編集者の経験から申し上げると、伝える技術や語彙力以前の、いわば「存在感」「パワー」「影響力」といったものが、この差の背景にはあります。
「存在感」「パワー」「影響力」といった”コンテンツの魅力”は、語彙を洗練させたり、伝え方のスキルを磨いたりするだけでは伸ばせないものです。そして、分析したり、意図的に育むのも、とても難しい……。
実際のところ、伝えるスキルについてまとめた書籍は山のようにありますが、こうした領域にまで踏み込んだものは、ごく一部です。あったとしても、それは「経験則」や「根性論」に終始したものが大半です。
SAA(Self-Authorship Assesment)では、そうした従来の「伝えるスキル」ではカバーしきれなかった、表現者の”盲点”といえる領域に焦点をあてていきます。
SAAが支援の対象とするのは、自己の内に息づく「声」(”voice”)。
本当に伝えたい「想い」「願い」とは、一体どういうものなのか。
世の中に数多くの問題があるなかで、なぜあなたが、そのテーマについて表現しなければならないのか。何があなたを表現へと駆り立てるのか。
……こうした事柄を、さまざまな視点から掘り下げていくわけですが、探究するヒントをくれるのが「成人発達理論」が示す深層的な認知構造です。
鈴木規夫さんの物事の本質を見極める視点、日本で数少ない「成人発達理論」のスペシャリストの観点と、編集者として多くの方の言語表現に向き合ってきた私の経験/感性を組み合わせることで「表現者」としての包括的な成長が可能になる。それがSAAの唯一無二の価値です。
なお、SAAが対象とするのは、既に書籍を書いている著者や講演などを行っている方だけではありません。
「私には表現すべきものなんてない」
「私は表現者ではない」
そのように感じる方にも、ご利用いただきたいと思って開発しました。
人は、誰しもが表現すべきものをもっている。そして、唯一無二のあなたの「声」(”voice”)を待っている人は必ずいるーーこれは、私が、15年の編集者としてのキャリアを歩むなかで、確信したことです。
あなたが世界に向けて表現すべき「声」(”voice”)と出会う一助として、SAAを活用いただけましたら、開発者としてこれほど嬉しいことはありません。
みなさまの「声」(”voice”)と出会えるのを楽しみにしています。
編集者 柏原里美
モニターからの感想
「わかっているけれど、なかなか向き合えない課題」に向き合えた
自分でもある程度自覚している弱点が指摘されており、「自分でもわかっているけどなかなか向き合えない」といった課題に、他者の目も入れてきちんと向き合えたという意味で、価値がありました。報告書とともに課題設定の課題が出たこと、そこに対して言語化して他者に共有し、コミットメントしたことが自分にとって重要だと感じた。
(Gさん|男性|30代|会社員)
自己探究、課題克服のための優先順位の明確化
自分についてこんなにも話をじっくりと聴いて頂けたこと、また、自分の中を探究しながらじっくりと話をさせて頂いたことの両面から、とても良い時間を過ごすことができ感謝しています。最後に自分の課題を克服するための目標設定をしたことで、自分が進めていくこととその優先順位がさらに明確になり、スッキリした気持ちです。
(Yさん|女性|40代|経営者)
インタビューがきっかけで、気づきが深まる
自分の普段のレベルよりも少し上のことが課題としてあげられているため、その課題をすぐにしっかりと理解することが少し難しかったものの、書かれている課題へは高い納得度があります。自分の至らなさを情けなく感じますが、文字にしていただくと冷静にとらえることができました。数日経ってから(ここ数日のうちに)、自分が課題に思っている複数のテーマについてふと考えが深まり、テーマを貫く構造が見えるようないい気づきが得られました。今回のインタビューがきっかけとなっていることは明らかで、感謝しています。
(Fさん|女性|50代|公務員)
アセスメントのプロセス
- お申し込み
本サイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください。 - SSAプレインタビュー・リフレクションシートへの回答
質の高いインタビューを実施するために、事前にいくつかの質問に回答いただきます。 - SSAインタビュー・セッション(約90分)
二人のプロフェッショナルによるオンライン・インタビュー。 - SSAインタビュー・レポート / 実践課題シート
インタビュー・セッションから得られた洞察を報告書としてまとめPDFにて送付します。 - SSAフィードバック・セッション(約60分)
インタビュー・レポートの理解を深めるためのオンライン・セッション。プロの視点・視座により、表現者としての特徴や優位性、課題をお伝えするとともに、さらにスキル・能力を育むための実践上のアドバイスをしていきます。